風流美を愛でる 風流美の美しさを語ります

よみがえれ 花かげの道

「花かげ」という童謡をご存知ですか?

十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の花かげに
花嫁すがたのおねえさま
俥(くるま)にゆられてゆきました

十五夜お月さま 見てたでしょう
桜吹雪の花かげに
花嫁すがたのねえさまと
お別れおしんで泣きました

十五夜お月さま ひとりぼち
桜吹雪の花かげに
遠いお里のおねえさま
わたしはひとりになりました

 

牧丘町出身の大村主計(おおむらかずえ)の作詞で、嫁いでいく姉を見送る切ない歌ですね。この「花かげ」の桜並木、じつは、向嶽寺から弊社の前を通る道にあったのです。

 

「この情景をぜひ、もう一度再現したい」という思いで地域の有志が集まり「塩和会」を立ち上げ、桜並木復活のための活動が始まりました。私、石川重人も、発起人の一人として、活動に加わっています。

 

桜の苗木を植樹をするのは、元の「花かげの道」より山側の、塩ノ山山麓の向嶽寺から恵林寺方面に向かって整備中の遊歩道。舗装された道路沿いよりも、往事の雰囲気はかえってよく出るかもしれません。

 

記念すべき第一回の植樹を行った2月8日は、大雪。まず、向嶽寺に集まり、宮本鉄心管長猊下、甲州市の田辺市長、大村主計の御親族様、向嶽寺の檀家総代の方のご挨拶の後、大神楽の祝い曲芸、花かげの合唱と、植樹祭を執り行いました。

 

その後、桜吹雪ならぬ大雪の降りしきる中、100人を越える参加者の協力のもと、3種類100本の桜の苗木を植えることができました。向嶽寺の檀家さんや地元だけでなく、桜愛好家、まちづくり関係者など、多くの方の参加が得ることができてこその成果でした。

 

向嶽寺に戻ると、あたたかい豚汁と握りめしが待っていて、厳しい作業のあとに、ほっと和やかなひと時を過ごすことができました。

 

今後も必要な植樹をし、350mにわたる桜並木の遊歩道を整備する計画です。10年後には、きっと、桜並木が復活します。どなたでも参加できる活動ですので、ご興味のある方はぜひご一報ください。

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整備前の様子。

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1月18日、2月の植樹祭に先立って、将来桜が育って並木となっていくのに差し障りのある雑木を伐採しました。

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整備中の一コマ。みんなで目的を持ってする作業は楽しいです。

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整備の後の昼食時に、蓄音機を持ちこんで「花かげ」のSPレコードをかける人が居て、みんなの気持ちがもりあがりました。

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2月8日、植樹祭当日は大雪。

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植樹祭会場ともなった向嶽寺の宮本鉄心管長猊下。

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余興の太神楽では、桜の花びらをイメージした曲芸を演じてくださいました。

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みんなで「花かげ」を合唱。前に座られているのは、大村主計の3人の息子さんたちです。

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雪の中の植樹は大変でした。桜並木が完成した後も、この日のことはきっと語り継がれることでしょう。

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次の苗木を植えるチームがかすむほどの激しい雪でした。

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この山裾がずっと桜並木になった情景を、想像してみてください!