社寺屋根

雨漏りがしてたら、屋根の葺き替え時です

時代を越えて受け継がれてきたご本尊がいらっしゃる建物を守り、未来に伝えたい。ご住職様や檀家の皆さんの切々たる願いでしょう。社寺の寿命は屋根の状態で決まります。雨漏りがしているような状態を放置しておけば屋根そのものだけでなく、お寺を支える軸組まで腐り始めているおそれがあり、早めの対策が必要です。

大工と屋根職人とが意気を合せてつくる 美しく、長持ちする屋根

屋根工事であれば、屋根だけを取り替えればよいのだから、屋根屋さんに頼むので十分と思われる方もいらっしゃるようですが、実はそうではありません。長寿命の屋根づくりには、屋根葺き素材の施工だけでなく、それを支える下地工事の両方が適切なものであることが重要です。社寺建築のプロである当社は、高い技術をもった屋根職人と長く信頼関係を築いてきており、満足のいく社寺屋根の修復工事をお約束します。

当社の屋根工事の一端を、すこしご説明しましょう。銅版葺きをする際には、エキスパンジョンジョイント(伸縮目地)をいれています。銅版は熱によって伸縮する素材なので、その動きを妨げないようにしているわけです。また、ハゼ切れ(銅版の折り目が裂けること)を防ぐため、ハゼを叩きすぎないことも重要です。屋根が二層になっている場合、雨があたる部分に捨て銅版を重ねて、耐久性を増すようにしています。下地には最低でも五分の杉板を使って高温時にも痩せにくくし、さらにルーフィングには耐久性の高い「ガムロン」を使うなど、目に見えない部分の配慮も欠かせません。こういった、何重もの工夫が丈夫で美しい屋根をつくるのです。

もとの屋根より格好よく、美しく

屋根工事は大掛かりなことです。せっかく修理するのですから、もとあった屋根よりもよい状態にしたいものです。全体のプロポーション、反り、軒の照り、蓑甲、駒額といった社寺に特有なディテールととのバランスをとりながら、お寺の美術的な価値を高めることは、数々の文化財も手がけてきた当社のもっとも得意とするところです。

写真左:薬師堂 竣工外観 右:修復工事前

御崎神社本殿

銅板葺き、茅葺きのいずれにも 対応できます

社寺の屋根にはいくつか性質の異なる素材が使われます。それぞれに長所短所があり、素材に応じた屋根の理想的な形というものがあります。棟梁から棟梁へと受け継がれて来た伝統に裏打ちされた確かな技術と豊かな知識をもってあたります。「瓦や茅屋根を銅板葺きにしたい」といった素材そのものの見直しも可能ですので、ご相談ください。

銅板 瓦より軽いので、耐震的には安心です。雨音がうるさいのと、真夏に熱をもちやすいのが難点です。瓦葺きよりはコストがかかります。 葺き替え時期 板金の折れ目(ハゼ)が割れてきます。40〜50年前に施工されたものは、そろそろ葺き替えの時期になります。(酸性雨の影響のあるところでは早まるかもしれません)
茅葺き 昔はもっとも身近な材料でしたが、今では手間のかかる素材となりました。当社には茅葺きを専門にする職人がいます。詳しくはこちらへ(茅葺き屋根・水車のページへ葺き替え時期 高温多湿な時期に茅が蒸れて、腐ってきます。差し茅でメンテナンスをしながらで、およそ30年

茅葺き職人のご紹介

当社の嘱託社員でもある加々美栄さん(写真左)と、彼の弟子である新津さんの二人。山梨県では「いやしの里」での五棟が代表作の一つ。山梨県で茅葺き職人が途絶えそうな時に、当社での仕事で一人前になる。雲峰寺(うんぽうじ)の書院の屋根葺き替え工事(当社施工)が最近の代表作。新津さんは20歳の時に加々美さんに弟子入り。

社寺・文化財建築工事の実績をまとめた別サイトがありますので、詳しくはそちらをご覧ください。

伝匠舎の受注から工事完成までの流れ

伝匠舎で建物を建てる時の、標準的な流れをご説明いたします。常日頃から行っている安全への取り組みもご紹介しています。

社寺の耐震補強工事を、限界耐力計算によって行いました。詳細はPDFファイルをご覧ください。

「社寺建築」の詳細については、こちらをご覧ください。